ブラックペアン2の3話が公開されましたね。
今回は、天城がスリジエという勝手な名前を新病院につけてスタンドプレイするのがヒヤヒヤです。
その上、札束で相手の頬を叩くように真行寺医師会長と渡りあって、反感を買って佐伯以外に味方がいない四面楚歌ぶりが、ハチャメチャな演出でしたね。
| 1話 | 2話 | 4話 | 5話 | 6話 |
| 7話 | 8話 | 9話 | 10話 | 11話 |
Contents
ブラックペアン２のネタバレ3話感想
新たな刺客は新病院のスポンサー
ライバルの維新大学の菅井達夫教授が送り込む刺客を主人公の天城雪彦がこてんぱんに撃退するというのが、このドラマの「水戸黄門」的お決まりパターンになりつつあります。
３話では新病院に出資をとりまとめる企業組合理事・水野が新たな刺客として送り込まれ、今回の公開手術の患者が生活保護受給者であるという点とどうからんでいくかが、うまく仕掛けられていて終盤までの展開が興味深かったです。
天城が高度な手術を引き受ける条件として「賭けをすること」を求めるということにおける、「賭け」という言葉の意味も、３話で見えてきました。１話では天城に翻弄された外科医の世良雅志が３話では公開手術でも需要な役割を果たし、存在感を見せていました。
意外なことが意外な結末を
前々回まで、すぐにお金のやりとりに話を落とし込んできた天城先生なので、患者の経済力によって判断を変えた、と世良先生が考えたのも無理はないな、と感じました。
あるいは、一番最初はそうだったのかもしれません。ですが、途中から状況がかわり、周囲が気づかないうちに戦略変更する、という天城先生の判断の柔軟性がかっこよかったと感じました。
また、脚本とアイデアの面白さだと感じたのですが、モンスターペイシェントにしか見えなかった親子が実は経済的な問題を抱えてはいるものの、しっかりした親子の絆をもっていたこと、また、息子も地道にはたらく労働者であったことが、後半の展開のキモになっていたと最後になって気づいて面白かったです。
四面楚歌をも正面突破する天城
そうかと思えば、天城が生活保護患者の年子と息子の為に、金がないなら、人生を賭けろと言い、公開オペの最後に寄付を募って、自分が着服するのかと思ったら、親子に寄付金を捧げるという温情ぶりが、ほろりとさせる心温まる場面です。
カンファで、天城が高階と舌戦を繰り広げて高階を論破する場面は胸がスカッとします。 高階が年子は食道ガンのオペ歴があり、胸骨正中切開下のオペができない点、脳出血歴があり脳血栓を生じやすい人工心肺を回してのオンポンプ術が使えないと得意げに述べたら、佐伯の指示を受けた椎野が治験薬の一酸化窒素合成剤があれば、肺が虚脱してもオペできると論破したのは痛快でした。
それでも治験薬の作用時間の為にオペを３０分で済ますのは無理と思った菅井が、残り１５分で、狭い術野で天城が血管縫合しながら同時に世良が閉胸術をする神業に、菅井が悔しがるラストは胸がスカッとする場面でした。
天城先生とジュノの華麗な連携
天城先生はただの金の亡者かと思っていたけど、今回の患者を最初に断ったのは、病歴が影響して手術ができなかったからだし、新しい病院の名前の意味とかソメイヨシノの話とか聞いちゃうと、ホントはやっぱりいい人なんじゃないかって気がしてならないですね。
もしかしたら病院経営とか何かしらの事情でお金が必要で、だったら金持ちから治療する代わりにふんだくってやろうって魂胆なのかなって思いました。それにしても今回のジュノとの、共闘というか、同時進行のオペはめちゃくちゃアツかった。最後のジュノのミスの素早いサポートも、ミスするって疑っていたわけじゃなく、ジュノならすぐに立て直せるって信じてのサポートだと思うし、ホントにいいコンビですよね。
なるほど、寄付とは…
今回は支払い能力が全くない患者ということで、どのような支払い方法となるのかが見どころとなっていましたが、意表をついて寄付でオチをつけていました。割と納得。そしてストーリーもコンパクトになってきて通常のドラマテイストになりつつありますが、やはり今回もまたシビアな一面をそれとなく盛り込まれています。
普段自分達は医療は保険で受けられるものと信じ切っていますが、特殊な先端医療となる場合は適応外で多大なお金がかかるという事実で、それとなく渋い切り口でした。ちょっとうそ臭く大げさな展開の中に出てくるお金の真実が語られています。けれどもズルズル揉めずにサクッと解決していくのが明瞭で暗いお話にならず良いです。
天城先生は本当はいい人？
生活保護受給者の患者さん年子と息子の孝利の貧困や切実な問題も描かれており、見ていて切なくなりました。天城先生が自分の能力を示すためにもまた公開手術を行う患者さんを探す中で、賭けで手術をするという悪評が広がり、断られてしまうところが今まで完璧だった天城先生らしくないなと思いました。
病歴的にオペが難しいと言われる年子さんの手術の成功率は0％という言葉の真意はどういうことなのかと思いましたが、治験薬や世良先生の力を借りて無事に手術ができてよかったです。しかも公開手術の観客から寄付を募るという想定外の行動にも驚きました。結局法外なお金は請求せず命を救った天城先生は本当はいい人なのでは、という印象にも変わりましたが、まだまだ謎が残る展開にハラハラしそうです。
ブラックペアン２のネタバレ3話考察！
次のキーパーソンは看護師・花房
３話のラストで天城が病院予定地で理念を語るシーンには、金に汚い異端のダークヒーローというよりも理想を追う医師の姿が色濃くあらわれていて、予想よりも早めに天城という人物に対する印象を大きく変えるシーンとなり、今後の展開につながってきそうです。
前回の２話では看護師の猫田麻里が活躍したのに続いて、次回の４話では、３話では影が薄かった看護師の花房美和の親族が物語の鍵を握るようなので、今後も１話ごとに医局のスタッフの誰かがクローズアップされるのでは。天城と顔がよく似ているというシーズン１の主人公・渡海征司郎の関係の謎については３話ではほとんど描かれなかったので、４話では少しヒントとなる要素が明かされそうな予感があります。
世良先生の今後
基本的にやりたい放題の天城先生なので、医師免許の剥奪うんぬんという事態になるのは時間の問題と思ってはいましたが、意外と早く来た、と感じました。このあとのドラマでスリジエハートセンター計画の具体化まで描くのなら、もっと後に入れるエピソードであってもよかったのかな、と考えています。
でも、免許剥奪という問題が出てくるとなると、助手の立場である世良先生の活躍が期待できるのかな、とも思っています。また、病院上層部の権力争いという面がまだ描かれていないので、新病院の設立とからめて進展があるかもしれません。そうなると、天城先生寄りの医師として世良先生も巻き込まれていくと思われるので、医師の良心との葛藤も見てみたいです。
ＡＩを乗り越える天城の神業
真行寺が天城が許せないと言っていましたが、おそらく知り合いの医療訴訟専門の弁護士、戸島和子を、そそのかすようです。その和子が患者団体と医大に乗り込み、佐伯に天城が悪徳医者だから訴えると迫り、佐伯が天城のオペを中止させるようです。
ところが、和子が突然急性心筋梗塞で倒れ、冠状動脈バイパスオペを世良が担当するのですが、動脈の石灰化が進行していてあきらめるようです。すると、和子の娘が花房美和だとわかり、世良が事情を聴くと、和子が離婚し再婚したと聞かされ、美和と喧嘩別れのままと知り、世良が関係修復を図ると思います。それでも和子は、天城のダイレクトアナストモーシスも拒否し、真行寺が紹介した維新大の菅井が開発した医療ＡＩによるバイパス術を受けるようです。
しかし、菅井のオペ中、ＡＩがデザインした冠状動脈のバイパス部分の血管の脆弱性をＡＩが認識できずに、オペ中に血管が破れてＶＦの危機になり、天城が現れて、ＡＩは万能ではないと得意げにせせ笑って、救命処置をすると予想します。和子は天城の腕を信じ、天城を詐欺と呼んだのを謝罪し、美和とも関係修復できるハピーエンドを予測します。
人間はAIに勝てるのか?
まず手術するにも前提条件があるし、その上莫大な費用を取られることはたしかに詐欺っぽいけれど、それだけの手術を天城先生がしているのも事実なので、最終的に弁護士先生は、なんだかんだで天城先生に命を救われて、認めざるを得なくなってしまいそうな予感。
さらに今度の相手は、嫌味な人間ではなく、医療AIって事で、どれだけの最新技術を見せてくれるのか楽しみだし、AIが完璧な手術をできるようになれば、どこにいても平等な医療を受けられる未来が実現されそうだけれど、天城先生が手術は芸術であり、イマジネーションだと言うように、不測の事態に対応できるのはやっぱり人間だと思うので、天城先生とジュノで、それを証明してくれるはず。
人を納得させる何か
とことん天城を糾弾中の美和の母親が倒れるという身近な人物とのからみはよく見かけるパターン。またか、と思われるストーリーをベースにどう新しい面白さを視聴者に感じさせるのかが見どころとなる話です。
やはり、点滴のように思っている人物を納得させるというのは、その相手がやはり人智を超えた天才や芸術的な髪がかった存在とはっきり分かる時だと考えられます。そのため、常識的に拒否反応を示す美和の母親に、非常識なカルチャーショックが起き衝撃の改心が起きるる出来事があるのかも知れません。毎回お金に関するシビアな現実がそれとなく示唆されているため、次はどういうものとなるのかも気になります。天才外科医が凄い手術をして解決だけの話ではないようです。
次回も成功させるはずの天城先生
巨額の費用を請求する天城先生を訴えようとする弁護士和子が登場し、さらに一波乱起きそうな4話です。和子は看護師の美和の母であり、しかも病気を抱えているようで、天城先生の手術が必要そうですが、正義感の強い和子はそれを拒否するのでしょう。しかし、美和の強い説得により、命を優先し天城先生のオペを受けることになりそうです。
2話、3話と実は患者さんから財産をもらっていない天城先生ですが、今回の患者さんは弁護士という職業ということもあり、しっかり財産を要求しそうな気がしています。またしても公開手術を行い、完璧な手さばきで成功させると思われますが、一方で医学会の権力争いが激しくなっている中で天城先生の新病院のスタートも影響されるのかもしれません。
